APPLE SEED ~キュン死寸前のメカ萌え~

APPLESEED [DVD]

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 攻殻で有名な士郎正宗の商業デビュー作、APPLE SEEDです。ゲーム版はアッペレと呼ばれるクソゲーだったことで有名。映画版のあらすじをWikipediaより。

世界大戦後の廃墟で生き延びていた女性兵士デュナンは、人類への奉仕者として肉体・感情を制御されたクローン人間バイオロイドの管理する理想都市オリュンポスに連行され、そこで全身サイボーク化していた恋人ブリアレオスと再会する。彼の所属する元老院ESWATの一員となったデュナンは、やがてバイオロイドの開発とオリュンポス計画に自分の両親が関わっていた事実を知り、自身もバイオロイドの軛を解き放つ鍵「アップルシード」をめぐる陰謀に巻き込まれていく…。

 ストーリー面は固有名詞が多く、シロマサらしい「劇中では説明しない」スタイルが取られているものの、付録に用語集がついているので予習可能。登場人物は主人公が気丈な女戦士で、バトーさん的な恋人はサイボーグ。そこの恋愛も基軸に据えながら、人間らしい欲望・感情を奪われて作られたクローン人間・バイオロイドの心理描写とかも入れつつ、でもやっぱりメインはダイナミックなSFアクションだぜっ!って映画ですね。
 スパコンとつるんで立法してる「七賢老」の人たちとか、軍隊の保守主義者というように、キャラクターの相関図はしっかりしてるのでストーリーはわかりやすいんだけど、バイオロイドの人たちが人間味が無かったりとキャラの彫りの深さは今一つ。実写だと無言で伝えたりできるんだけど、3Dだとそこはやっぱり浮ついてしまうのかも。ドラマとしての深みという点ではそれほど感じなかったのですが、細部まで作りこまれたメカ造形や近未来都市とか見てるともうそれだけで嬉し楽し!オーソドックスながら盛り上がりどころのしっかりした作りだから、思う存分そういう方向性で楽しめる佳作だと思います。