灘卒新入生歓迎会

 東京に来た大学生と社会人のOBを面合わせする会に行ってまいりました。コンサル、弁護士、ベンチャー社長、政治家、アナウンサー、副知事、まごぴーまで様々な業種の一線でやってる人が来てました。面白い顔ぶれであります。灘校の後輩であるってだけで、貴重な時間を割いてくださってるってのはよくよくすごいなと。

 社会に影響力を与える、大志を持つ、我を通す、そういう路線の人たちが集まっていたので、ミクロ幸せ志向な僕には同意しかねるような部分も多々あったのですが、近所に住んでる青学の学者さんと二次会ではお近づきになれ、「文系研究職の実際」について聞かせていただきましたね。あ、なんか研究発表レベルだと、日本の社会科学系とかは国際ランキング200位とかだよ!って話を文科副大臣がしていて(´・ω・)ショボーンしてました。ただまぁガラパゴってると評判の日本文系ですし、kさんとか桃さんとかが知識量で同世代の「世界」に負けてるはずがないだろうなとは思うんですが、まぁ議論とかって英語でしないとカウントされないらしいんでねぇ…。
 というわけでやっぱり英語は必須で、前にいたOB方もみんなプッシュプッシュしてるんですが、一方で「でも結局やりだしたの、英語が自分の目標の前に立ちはだかってからだよね」的な話もしてたり。もうSTで思い知るまでは、結局持たんのかなぁとか、18歳だと1年長く感じるけど、そんなに長いもんじゃないらしいしなぁ、とか逃げる口実を選択採集しているダメな僕です。
 副大臣に相関行ってみたいよ!的な話をしたらもうバリバリ本読め本読め!って言われたので、やっぱり本読まなきゃいけないですね。この国の翻訳本はどうも読みづらくないと権威が下がるとでも言いたいかのように読みづらい本が多い気がしますが、はてさて。一度ちゃんと英語で学術書を読んでみないと。クソ和訳で有名な社会学系の古典はないかなぁ。多分、それならきっと「もう日本語で読んだ方がよくね?」って悪魔の囁きを振りはらって読めると思うんだ……。


 とりあえず中野准教授やそのほかの人たちとの面白かった話を箇条書き。

・日本の文系学部なんかはアメリカやイギリスなどから帰ってくる優秀な人材を受け容れるキャパが無い。椅子が足りなさすぎ。(校長)
・グローバルだの何だの言うけど、今俺が戦っているここが「世界」。俺が面白い!って思ったゲームは、シリコンバレーの連中も面白いって思う。海の向こうにメジャーリーグや魔界があるんじゃない。この場、この瞬間、最善を尽くすことで世界に通じる。(ゲーム会社社長)
(まぁゲーム業界だからこその発言でしょうけど、応用は凄くできるんだろうな。このぐらいの気概で眼の前の課題に体当たりしてるほうがいい気がします)
・好きなことを見つける簡単なやり方。誘われたら、絶対に断らないこと。(ゲーム会社社長)
(実践してるけど、あんまり声がかからないwあ、基本的にどんなネタでも断りません。はい。絶賛募集中です)
・国家公務員のピラミッド型組織は「成員が抜けない」ことが前提だったが、今は労働条件の悪化もあってどんどん若手が抜けて、つぼ型人口構造になってる。抜けた官僚を組織できる政策立案機関のようなものが必要なのだが無いのでみんな民間企業に就職しちゃって、本当に優秀な人材が国政に携わらなくなってる。官庁・与党サイドに対置される政策組織がこれからは必要だと思うが、そのためには今の2倍人材が必要。どうすればうまく回るか、当事者世代の君らにも考えてほしい(厚労省官僚)
・遊びまくれ!(副大臣ほか)
(問題は彼らの言う「遊ぶ」の定義が僕が好きなニコニコを一人観て過ごすとかじゃなくて、友達とプロジェクト動かしたりする自分のキャリアプランとかそういうのとは関係無い「人生の寄り道」を意味していることだろう。最近の「遊び」はどんどんコミュ力がいらなくなってる気はする。でも一周回ってネトゲはどうなんだw)
・すごい奴はみんなワガママ。俺流を貫かせろ!って言ってる。灘校生はみんな奥ゆかしいし空気読むの上手くてミドルリスク・ミドルリターンな人生。無理な目標も立てないし、堅実。(ゲーム会社社長)
(それが必ずしも不幸かというとそうじゃないと思うし、灘校生だけの問題じゃないだろうな、と。)
・グローバル、価値観多様化っていうけど、自分が一番価値観が変わったのは彼女出来た時ですよね。男のロジカル通じないし。あ、「仕事と私どっちが大事なの?」って聞かれたら、どう答えます?(生徒:丸く「君」ですね)正解は「抱きしめて一言、『愛してる』」です。何も答えなんか求めてないんですよw(厚労省官僚)
・価値観って国の違いなんかより、個人差のがはるかにはるかにデカイ。(誰だったっけ……)
(結局身近なものに対して、どれだけ「異なる論理」を見いだせるか、洞察・観察に加えて言語化能力、そして自分のしたがっている論理に対する客観的認識。その辺があれば日本にいても懐の広い人に当然なれるわけだし、逆にそれが無ければたとえ海外に行ったところで、さして何も変わりやしないわけだ。海外でショックを受けて身に着くのかもしれないけど)
・知識自体は所詮知識なんです。「知識をいかに獲得するか」が根本的には大事なんだと思います。(副大臣、准教授)
(そうそれ。これマジで。すずかんって猛烈に「学び上手」だなぁって観てて思う。活動の中で常に何かを学んでいく鋭敏な感覚を持ってるし、誰もを説得できる人間力コミュ力があるわけで。次から次へと学んで、次から次へと進歩していける。そういうシステムとして完成していれば、社会人になって「勉強」する時間が取れなくなってからどんどん成長していけるんだろうなぁ)
・長い文章書ける人、最近貴重です。Twitterとかが流行ってるみたいに、どうしても思考が短文化しちゃってる若いのが多いですね(准教授)
(嬉しいような、Twitterに流れちゃってるのが悔しいような。ブログも怠りなく頑張りたいと思います。はい)
・大学院浪人の時はヤバかった。アイデンティティが不確定すぎて、精神的にすごくキましたよ。まぁフリーターってことになるんでしょう。オーバードクターとかみんな言ってしまえばフリーターなわけで、僕は1年やっただけで就職見つかって、出世頭でしたね。(准教授)
・なんか首都圏か関西しか嫌って言ってオーバードクターで耐える人もいるけど、とにかく職を取ってしまう方が絶対いい。国家から研究者ライセンスとかもらえるし、予算申請権も得られる。宮崎だろうが木曽だろうが襟裳岬だろうが行くべき。アカデミズムの一員として認知されるかどうかでだいぶん変わる。
・労働環境はMARCHが最高で、国公立と上智は薄給で、200万円くらい差がある。京大のポストに呼ばれたら家族会議物。ちなみに早慶はこき使われるみたい。
・僕は仕事自体がアイデンティティになっている。好きなことをやって、人並に家庭を持って食っていけることは本当に幸せだと思ってる。
・僕が院への進学を決めた時はバブル絶頂で、家で勉強してても勝手に大手企業から「面接に来てみません?」って誘われるような時代だった。進学に関しては、父親からは一言「理解に苦しむ」っていわれた。
(文系学者の就職についてのお話。ちょっと希望。)
・授業はあくまで自分の「勉強」のヒントとすべきで、90分座って何か一つ参考になることがあれば佳し、みたいな感じ。テストで点を取ることは「勉強」じゃない(学問的じゃないってことかな)中には本当に琴線に触れる授業だってあるから、そういう先生たちは大事にしていく。
(とはいえ僕は3学期までは点数取りに勤しむ義務があるし、頑張らなきゃね!って。今の自分だと授業をサボったからって何か建設的なことをしてるんかって不安があって、結局アリバイ的に授業行ってるような。空きコマで筋トレするサークルとか作ったら面白いかも?)
・東大の名前でブランディングして本気で書評サイトを運営したら、放っておいても献本が来たり、アフィリエイトが取れたりするかもよ。(せら)
・挫折するコツ。物事に全力で、視野狭窄状態で取り組む。成功確率が下がるし、失敗のショックも上がる。(副大臣
・正しいこと、論理的なこと、非の打ちどころのないことを言ったからといって、誰もついてこない。(ゲーム会社)


 ざっとこんなもんかなー。