第３戦

　最終戦に相応しい緊迫した投手戦を制したのは、馬の骨外人ではなく成瀬だった

　５回までは両投手好投。成瀬は初回を初め先頭打者を３度出すもソフバンの拙攻に助けられ、２塁を踏ませない。スタンドリッジも持ち前の大きいカーブと角度のある速球が低めに集まり、２安打に抑える快投

　流れが変わったのは６回裏。１死、スタンドリッジがTSUYOSHIに四球を与えてしまう。このTSUYOSHIの足技が致命傷になった。あっけなく盗塁を許し、スタンドリッジはTSUYOSHIの動きに惑わされ、慣れないクイックにフォームと集中を乱し、続く早川、さらには福浦にも四球を与え、３連続四球。あわわ１死満塁。そして初戦も満塁で同点打を叩き出したサブローが、右中間をぶち抜く走者一掃の三塁打でＫＯ。この回わずか１安打で３失点したスタンドリッジは呆然とベンチへ下がった

　そして中継ぎエースの水田が登板。しかし里崎が浮き足立ったホークスの心理的空白を見事に突くスクイズを決め、４−０。３点差と４点差には大きな開きがある。決定的なプレーだった

　大きなリードをもらった成瀬。しかし力んだか小久保に左中間への２塁打を打たれる。２死２塁のピンチで大村。しかし持ち直した成瀬がサードゴロに仕留めた

７、８回もロッテは攻勢。追加点のチャンスを作るがソフバンなんとか食らいつく。しかし立ちはだかる成瀬。直球に差し込まれスライダーに泳ぐ……タイミングが合わない。成瀬も疲労をにじませながら力投をつづける

　そして９回。成瀬コールの中、マウンドへあがる成瀬。川崎が松中に繋ぐ執念のヒットで出塁、盗塁でチャンスを広げる。バッテリーは打者に集中している

本多が倒れ、今日無安打の松中。入魂のスイング。ボールは高々と上がり、今江のグラブに収まってゲームセット。爆発のように客席から紙吹雪が放たれた

ＭＶＰは２度の満塁を物にし、試合の流れを変える長打を放ったサブロー。連夜の猛打賞に続き、スタンドリッジを自壊させたTSUYOSHI、完封した成瀬もＭＶＰに相応しい活躍だった

にしても成瀬は圧巻のピッチングだったなぁ……パワーのあるワクチンみたいな。中６日の間を取ったのは正解だっただろう

一人で１５の貯金(＝ロッテの貯金数)を作ったピッチャーってのはやっぱり凄いもんです。感動したッ

ま、なんだかんだでロッテが勝つという予想だけは当たった。ソフバン乙