万引きの境目。雑記

ニュースで見たが、「子ども裁判」みたいなんをやっていたらしい。役所が台本を書いて小学生にやらせる体験裁判だ。裁判員制度導入にあたって裁判に意識をもってもらいたいのだろう。裁判員もいる

被告の罪は窃盗。よれよれのスーツを着た被告が貴金属店でショーケースの指輪を取り出し、胸ポケットに入れたのを店員が見とがめたら、被告は指輪を放り出して逃走。しかしあえなく御用。というシチュエーション

被告の弁論は「最初店員に買いたいと言った(←店員は否定)し、代金は払うつもりだった。混んでたので、落としたりして傷つけてはいけないと思い、ポケットに入れたら、いきなり万引き扱いされた。取り乱して逃げ出してしまったせいで誤解されてしまったようだが、盗むつもりはなかった。でも話を聞いてると身なりで判断されたようで心外だ」とか

まぁシチュエーションとしては有罪なわけだが、被告の論理は結構崩しにくい。さすがに小学生には難しく、悩んでいるようだった。裁判官側は無罪、裁判員側は有罪(特に考えずに「有罪でいいじゃん」って言う奴がゴネたから)と分かれていた


父親が言うには「窃盗が罪になるのは、財産の所有権を守るため。つまり持ち主の支配の及ばない範囲にブツを動かすことが窃盗罪。胸ポケットが持ち主の支配の及ばない範囲だと認定されれば窃盗罪になるが、検察や弁護士らの議論次第で認定されるかどうかは変わる」

 無罪か有罪かについては「窃盗意志を持って指輪に手を着けたら、その後指輪を放り出しても窃盗未遂になる。ただその意志があるかどうかは被告にしか分からんわけで、そこは弁護士や検察が状況やら被告の態度やらを鑑みながら、議論することになる」とか

こういう妙に説得力のある弁論を突き崩すのが検察の仕事であって、弁護士はうまく言いくるめて少しでも罪を軽くしていく。一種ゲーム感覚で面白いかもしれんね。逆裁欲しいなー