無限弱

最近よく人間って脆いなーと思う。世界中の知識を詰め込み、最高に優れた知性を搭載し、ブートキャンプで鍛え上げた肉体を鍛え上げ、熱心にボランティアしてみんなを幸せにしてようが、ホームで背中押されたら死んじまうし、ポロニウムを寿司に仕込まれたらハゲちょろけて逝くし、酔っ払い親父の軽トラが突っ込んでくりゃ死ぬし、桃白白の人差し指だろうがヤク中のナイフだろうが刺されたら死ぬし、バナナに足滑らせて机の角で頸椎割ったら死ぬし

ほんと人間ってスケールが小さい。でも脳内じゃあ想像でも記憶でもいろんなことを自在に閲覧したり、ワケの分からん新物質をこの世に誕生させたりできるわけだ

脳内にゃ次元が違うんじゃねぇかってぐらいの可能性があるわけだが、肉体のこの脆さは何なのか。あまりにも釣り合わない。もっと肉体って強くてもいいんじゃないか?まぁ人間を種として見りゃそこそこ頑丈かもしれんけどさ

可能性は無視してるが、ほんと簡単に死ぬからなぁ。一日一日って死ぬ気で生きなきゃいけんのだね。漢文に「日々新たなれ」ってフレーズがあったけど、毎朝生まれかわったような気持ちを持てってことなんだろうな

それにしても死は恐るべき物。その人間がウン十年かけて作り上げてきた経験やら繋がりやら背景やら性格やら何やらってのが、丸ごとそっくり一瞬で消えてしまう

 誰にでも死は来るわけだが、チンピラに刺し殺される優しくて頼れる立派なおじさんと、おじさんを殺したヤク中アル中で意識朦朧のクズの死は等価なのか?明らかに死ぬべきでないおじさんの積み重ねてきた輝かしいありとあらゆるが、明らかに死ぬべきカスに一瞬で消される。この世界の管理人とか地球様とか火の鳥にとってみりゃあ人間の価値だの一生の時間なんてのは≒0なんだろーけどさ、いくらなんでも酷くはないかねぇ。そんなに人間って安いのか?

答えは出ないし何が分からんのかも分からんが、ほんと、人間の価値って厳然たる差があると思うんだ。確かに生まれた直後は等しいかもしれないけど、その後の付加価値は全然違う。価値基準が違えば価値なんていくらでも変わるけど、どうも等しく死のリスクを抱えてるなんて不公平だと思う

 自分で言ってて凄いナチスみたいな選民思想で、エリート意識に満ち溢れてて、凄い癪に障ること言ってるとは思うけど、どうも俺には人間が無だとかどいつもこいつも平等だってのが分からん。確かに神様は金持ちにも悪人にもいい人にも絶対的に平等だ。それゆえ人間レベルの価値観では不平等な方だ。ま、人間レベルの価値観で神を裁断すんのはすっごいナンセンスだが


神がこんなだから人間は金のかかる医学ば作って社会的上層部が助かり、底辺は助からんよーにして価値的に平等になるように考えたのかな。でも人間の価値は金じゃ計れないし、神ならぬ身にゃそんな他人の魂の重さは計れない(苦し紛れに"等しい"って言うぐらいが関の山)し、価値的平等で誰もが納得の行くようにはならないのかね。この理不尽さ。でも理そのものが凄く表層的なのかな、みたいな


昔の人は天国地獄とか輪廻転生とかの概念を作ることで死後の世界に望みを託して、この理不尽さを解決したのかしらん。明らかに功利的な天国・地獄よりは輪廻転生のがより哲学的に見えるけど、どちらにせよ人間に納得の行くような考えって意味じゃ変わりはない。ほんとはカルヴァンが言ったように運命は決まってて泣けるぐらい理不尽なもんなんかもしれんが、そうとも信じたくない


まぁ結局は繰り言ですね。このぐらいにして寝ますか