ひぐらし

 まだプレイ中だが、いやー色々な意味でおもしろい。

 文体は昔からくどかったしそれがサイコ・ホラーを盛り上げてはいたが、マスコミとかに取り上げられて急速に自意識が膨張したのか地の文にいちいち作者がしゃしゃり出てきてうんざりするほどダルい。クリックするのが嫌なのでEnterキーに重石(黄鉄鉱)をのっけて眺めていたが、登場人物のセリフはミュージカルみたいにくどくて気取ってるし、地の文の語尾に「ッ!!」とかジョジョオマージュ使うし、黒バックに白抜き明朝体のデカ文字とかいうエヴァくさい演出でモロ滑るし……

 と悪いところばっかり並べたが、ストーリー自体は裏主体になったおかげで青春臭が薄れ、とことんアツく青春してくれた罪滅し編や、突如SFになった皆殺し編よか幾分マシ。過去の詳しい経緯なども分かり、SFなりの世界観はきちんとあったことが分かる。制作者のイタさが更に増したおかげで笑える部分も多くなった。特に終盤の赤坂の格闘シーンは必見。アクションとは思えない饒舌な表現に加え、昭和のスポ根もそこのけのクサすぎる展開、実にプログレッシブな演出、常識離れした脳内空手(まず構えから怪しい)に腹筋痙攣間違いなし。

 竜騎士のヘタレっぷりが目立つが、音楽担当のdai氏はいつもながらいい仕事をしている。竜騎士よかずっとマトモに才能のある人だろう。竜騎士は彼のようにいい仕事が出来るアクションシーン代筆、原画担当、文章校正担当を雇うべきだろな。