再犯ねぇ

 今日のALSAのAAは「刑法と再犯者」というテーマで、なかなかまとまった真面目な議論。
 まぁ前科者差別とかそういう分かりやすい話、少年の更生可能性とかそんな話があって。

 で、そんな中に例として「女子高生コンクリ詰め殺人事件」があったのですが、これは以前

無限回廊 endless loop
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/m.htm
 というサイトで読んで、眠れなくなったので是非皆さまもお読みになって眠れぬ夜を過ごしていただきたいなと。


 刑法の責任主義という考え方に基づくと、他行為可能性を振り切って犯罪に走ったところが犯罪の成立を肯定するための要件になるらしいですね。
 まぁでも、自由な意思を持って、選択肢を合理的に判断する理性を持っているって人間モデルの上で成り立っている話なので、正直このコンクリ殺人の兄ちゃんに適合できるのかって疑問もあるんですけど。さじを投げたくなるような人間(?)ですわ。

 当人の人格的問題によって、「犯罪予防」とかいう刑法の「目的」とやらが達成されないのはぶっちゃけどーしよーもなく。まぁ動物的な恐怖を刑務所で与えれば抑止力にはなるんかもしれないけど、一日一枚爪を剥くような刑罰は制度化できないからなぁ。隔離するったって更生放棄だし、洗脳しちゃえばいいったって国家にそんな暴力的権限与えていいわけねえし。残虐刑を制度化するってことは、人間をサンドバックより悲惨な扱いして平然と生きてる輩も、東尋坊の突端で藤田まことに「あの人が……許せなかったんです」と語る女将も一律に爪を剥がれうるってことだもんねぇ。客観的な人格テストなんかできないんだから。

 GPSを永久に埋め込んでしまうなんてのも人権侵害甚だしいし、期限つきにしたら現状と変わらないわけで。スリーストライク法みたいな豪快なことしたって、税金が刑務所維持費に吸い上げられるばかり。囚人を働かせて上手く回そうといってもね。伝統工芸品にでも従事させれば?って話も出たけど、「輪島塗って前科者だらけなんだってさ」って噂になったりする未来を思うと複雑ではあるw

 受刑者の方がワープアよりはるかに文化的最低限の生活送れるって現状(受刑者一人頭500万円くらい税金使われてるらしいですよ。ワープアの2倍以上ですよね、それって)は、刑務所の待遇を悪くするというよりは行政側が頑張ってどうにかする問題だとも思う。犯罪に手を染めて独房を終の棲家にするような人生が、魅力を持ってしまう国って、相当恥ずかしいことですけど。



 それもこれも全部企業が悪いんだ!ってチョムスキーが怒ってる本を読んでて、なかなか面白いですw