ALSAのとか

 学術交流会という他大学のALSAと色々議論してくる会に泊まりで行ってたわけですが、結構面白かったですよ、と。

 自分とこのテーブルでは「正義とは何か」について、まぁ倫理的なことを語ってたわけです。個人的体験と結びつけやすいこの領域は得意分野の一つですよね、と。細かい議論は書いてしまうと案外つまらないだろうからさておき。
 あ、僕は理性主義者なので死生観は「理性的死」「身体的死」「存在的死」という三段階を考えております。第一段階は脳死であり、理性が完全に失われた段階。そういう意味では現在不治の病である重度認知症は限りなく死に近い。ただまぁ精神は外から見えないというのがデカルト以降二元論の公理のようなものなのですが。脳死体というのはいわば第一〜第二の間ですね。身体的には当然生きていますし、僕は彼らを生きていると感じるでしょう。
 人間は身体的存在でもあり、僕の身体は脳死臓器移植を受け容れられそうにない。でも精神が無くなれば僕はもう僕ではない器だけが残っているわけで、主体的には脳死の瞬間に僕を解体して誰にでも譲ってくれてかまわない。
 そういうわけで結局は心身二元論に囚われている限り脳死とかは解決できない問題であり続けるでしょうね。じゃあもう禁止しちゃって、問題じゃなくしちゃえばいい……と、言っても既得権益を捨てられそうなはずもなく。不幸ですね、人類。

 結局何でしょう、科学的なアプローチじゃ無理がある。制度的なアプローチじゃ不可能。もう無理です。どうせ円満解決しない。本当に解決したいなら、「生命」そのものを直に感じる「第n感」が五感のほかにあって、科学のまな板に上がらないその身体的な直感に期待するしかない。渾身の芸術に触れた時の言葉にできない痺れ、感動……命を人はきっとそうして感じるんじゃないか? 話していて何となくそう思ったわけです。


 多分親父が法学なんかに失望して、『オカルト』の方向へ、神秘主義の方向へ行ったのもそういう風な諦念からなのかもね。


 とりあえず議論の他にも色々な人に会いました。でも大半が先輩です、あれー。同期の東大生が俺以外には3人くらいしかいなくて、あんまり食い込みにくかったという。でもこの団体は法学生を謳ってるけど、まるで法律と関係のないカオスなアカデミストがちらほらいて楽しいです。いや、その最たる人であるkさんの側にいるからなのかもしれないけど。あ、それにしてもkさんは可愛いくて尊敬できる稀有な人ですね。
「あぁ君が東大の灘の人」みたいなことを何度か言われたんですが、どういう噂が出回ってるのか凄い気になるというかどうせ「面白い」なんですが。どうせなら「イケメンで面白い」とかいうネタが流れて欲しいです。イケメンだという先入観が僕をイケメンに見せてくれるのです。なんて楽なんでしょう。


 夜中はkさんの友人で、サーオリでもお会いした桃さんの部屋で「三題噺」という遊びをやって、非常に面白かったというやつです。(kさんは「ラングとパロールが……パロールが連想を……それが閃きというやつで……知的遊戯であったらいいなぁ」みたいな解説をしていました。ていうかカンケリでも「わかった!原始の社会の構造が……」みたいな話をするんですが。まぁ変態ですね)
 ルールとしてはしりとりをやったあと、出てきた語彙からランダムに3つ抽出して、そのキーワードを入れた文章を30分とか区切って書くもの。長さは不問。面白ければ全てよしという感じ。元々は彼ら二人は

 こういうシリーズの中で知ったらしいです。

 で、今回は「ゴルゴ」「ドリフターズ」「ズッキーニ」というものだったわけです。ゴルゴとドリフターズは自分のせいですが、ズッキーニで何をしろという話ですね。
 結局桃さんは散々悩みながらズッキーニ畑に潜伏したトロツキーを東洋の刺客が襲う話を、kさんは漫喫でゴルゴを大量に置いて絡まれる話を嫌味饒舌一人称小説で、俺は志村けんのサバイバルを書いたと。無目的な文章を書くのは久しぶりですよ、マジで。とりあえずのっけておきます、あとで。



 翌日は図書委の飲み会があったので中抜け。なんか霞が関2人とJBIC国際協力銀行の人、なんかわけがわからないくらい世界を飛び回っている人などなど。変態空間ですね、ぶっちゃけ。iktkさんなどにもあったりしてわりと楽しかったです。
 2次会はカラオケでした。「パーパパヴィーヤヴーラウラーパーパパヴァーヴァーウォーヴォヲ*1」とか「ヨイヤーナゼニーパポリノシーハィャー*2」とか「モーナドローゼスモーナドローゼスヘーリオグローヴィ*3」とか唸ってる人。ソファの上で仁王立ちしてマリリン・マンソンとかSTALINをシャウトしまくっては、歌ってない間死んだようにぐったりしている人。ホルモン一人で歌い分けてる人など。財務官僚がミスチルを平和に歌う中、三人で「再殺部隊」をものすごい勢いで歌ってました。「カッミッノッケッモッホッネッモッ!」『ヴァーゴーヴォアー(3人)』みたいな感じです。



 5月になっても相変わらず出会いの季節が終わらず、やれやれです。いつ勉強するのだ俺は。とりあえず、木曜は変態を求めて座禅組みに行ってきます。

*1:平沢進「Parade」

*2:平沢進「白虎野の娘」

*3:Origa「inner universe