京都旅行1泊2日

 京都で遊んできました。

一日目:東寺→京都駅→金閣寺龍安寺仁和寺河原町・四条→嵐山→松尾大社
二日目:嵐山→太秦映画村→八坂神社→円山公園知恩院南禅寺


メンバー:saltier、Aisling、さんてん、教祖


1.東寺
 拝観料がワリと高かったんだけど、やっぱ中の「立体まんだら」なんか凄いですね、圧倒的でした。境内は木々の少ない明るい庭園になってて、周辺のごみごみした感じもあってあまり神秘的な印象を受けないw
 お彼岸ということで木造としては日本最大を誇るらしい五重塔が開放されてて、如来と菩薩が心柱を囲んで円陣を組んでるのが見れました。ていうか仏像ってコストも何もない芸術ですよね、いや、野暮な見方なんですが、あれほどの技巧をあれだけの規模……ホント、強烈ですわ。


2.JR京都駅
 文化で勝負の京都の玄関口らしく、凄く構造が面白い。吹き抜けの大階段、空中歩道、庭園、展望……20分ほどうろついたんですが、やっぱり心がわくわくする建築で楽しかった。大階段上りレースが恒例になってるらしいけど、短距離のつもりで行くと案外キツそう。とりあえずチームのシニア枠(4人の合計時間で競われ、45歳以上が一人、女性が一人必ず参加していないといけない)は灘校が誇る鉄人K先生でしょうね。


3.金閣寺
 バスで行くと案外かかりました。京都は当然ながら交差点だらけで車の移動には不便ですな。午後の降水確率60%と言いながら、京都駅では全然雨が降りそうな気配すらなかったのに、天気予報は凄いもんでバラバラと降ってきやがりました。
 修学旅行生や外国人にまじって金閣寺見学。庭園はわびさびしてるんですが、太陽のようにフルパワーで存在感を主張する、金閣だけが浮いているwあえてそう作ってるのかも。金閣、つくり自体はシンプルな感じですね。「見えないところはケチってるんじゃなかろうか」と思って高台から覗いて見る限り、2階の床は金箔を押してないようで、ちょっとガッカリでした。
「野望の跡」として見てしまうせいで、こう、賽銭を置いていく気にはならなかったですw けど、あの黄金の堂は、焼けて再建されたとはいえ、天にも指先をかけた傑物のギラギラした魂を伝え続けているような気がしてならないです。


4.龍安寺
 雨中を徒歩で龍安寺へ。石庭が超有名です。外人に大人気。
 てことで高名な石庭を見てきたのですが、無機的すぎてワクワクするものがあんまりなかったです(汗)僕としては銀閣とかにある動的な枯山水のほうが好きですかね。想像が浮かんで楽しい。
 けど薀蓄とか抜きでじーっと見つめていると、あやしうこそものぐるほしけれって感じになります。ただ平坦に敷かれた白い砂利の上に、岩の存在同士が干渉しあうような、変な波のように……わけがわからんです。ただ、何か及びのつかない深淵を見ながら、あの庭が造られたのかな?


5.仁和寺
 歩き疲れていたので、「寺ばっかええか」と門前で撤収しましたw


6.繁華街
 教祖と夕食をとる予定だったのですが、時間があいてたんで2時間ほどカラオケ。「鋼の救世主」を初歌い。男女混交のJAMの曲の中ではワリと音程の幅が小さいので、思ったより非常に歌いやすかった。最近は声を張り上げる曲ばかり歌ってるような。音程の幅が小さく、声を張り上げられ、メロ部まで騒がしくない、そんな曲を大切にしたい。中島みゆきとかはそういうのが多い。「旅人のうた」とか。「銀の龍の背に乗って」や「空と君とのあいだに」が大好きなんだけど、やっぱり喉ならしならアレ。Queenの「SAVE ME」とかも気合が入る。


7.嵐山
 食事後阪急で嵐山へ。観光地なので夜は真っ暗なのである。駅の近所にはスーパーも無い。生活には不便な場所のようである。教祖も通学、大変やったろう。
 とりあえず教祖宅で少し休んで、時間があるってことで夜の探索へ。近所の法輪寺とやらを探検したりする。山門の中が本当に漆黒で思わず怖気が走った。一人では無理やなぁ……w
 ワリと有名らしい松尾大社へ参詣したが、さすがに門が閉まってた。けど夜の散歩は珍しい経験で、5人で色々喋りながら歩くのは本当に楽しかった。


8.映画村
 11時くらいに嵐山を出て、太秦東映映画村へ。高校生1300円という入場料に尻ごみしながらもせっかくだから入場。すぐにあったのが昭和30年代の街頭のセットや、往年の名俳優の写真など。北大路欣也が小姓やってる写真はまじでビックリしたwあの強面があんな華奢な美少年だったなんて……w
 中は江戸時代のセットが組んであり、これも面白い。吉原を再現した通りと下町の通りが背中合わせで、一つの建物の半分が遊郭、半分が旅籠になっていてシュールだった。なんという多角経営w
 演目の忍者ショーは秀吉に滅ぼされたはずの根来衆がお家再興の陰謀をしてたりしてたんだが、殺陣のレベルは非常に高く参考になった。客に強烈な逆光を浴びせて暗い舞台奥を見えなくして、大ボスの退場時間を作る演出は「ンなァるほどナァ〜〜〜!!」と唸らされた。
 一番びっくりしたのはさんざん斬り合ったり、2階から転落したりしていたモブ忍者が、何と3人しかいなかったことである。同時登場するのが3人だったんだけどな……つまり、新体操の床競技のように俊敏な立ち回りをシフト無しで全シーンでやってたということである(汗)プロは凄い。
 その後はギャグタッチで繰り広げられるシーンの作り方講座を見たり、広くはないんだが、かなり面白かった。東映の選ぶ映画ベスト50とかは参考になった。「砂の器」は見んといかんね。


9.東山
 2時ごろ腹が減ったので映画村を出て、天神川まで歩いて地下鉄で東山へ。みんなお疲れの様子で、地下鉄はほぼ全員寝る。
 祇園なか卯で遅い昼食をとって、八坂神社へ。京都の見所は必ずいる和服のお姉さんですよね(何)縁日でもないのに屋台があるあたり、流石はメジャー神社。
 八坂神社は神楽舞台が印象的だけど、案外普通な感じというかwむしろ奥の円山公園がとても開放的で、文化的な雰囲気に溢れていてとても気持ちよかった。東山に下宿を借りて京大に通っていれば、きっと暇さえあれば散歩していただろうなぁ。山の端、和風な池、整えられた木々、鳥たち、せせらぎ、芸術の野外展示、写真を撮る外国人の観光客、和服……。嗚呼文化的。駒場や鷺沼の周りにこんな環境は無い。渋谷なんて谷間、洋風の坂、幾何学的なビルビル、烏たち、騒音、薬を売る黒い外国人、DQN服……あ、別にディスってませんよ!本心じゃないんです本心じゃ。
 円山公園を出て知恩院へ。巨大な山門の裏に近所の芸大生が作ったらしいキャバ嬢(それも地方の場末のB級)のような顔をしたグロ天女と、バナナを担いだ(三日月を背負わせたつもりだとしても、言い訳不可能なくらいバナナであった)何か煩悩の多そうな法然上人の像があって変な気分になった。
 文化系の極致とも言うべき教祖がヘトヘトになる中、段の大きな石段をえっちらおっちら登ると知恩院。講堂が正面になく、左ななめ45度に見えるのが面白い。急勾配の石段を登りきって突然現れる急傾斜の大屋根は、45度の視角のおかげか、正面から見るよりずっと天に抜けるような迫力がある。眼前から圧し掛かるような平面的な圧迫感ではなく、より立体的な迫力。心なしか屋根も高いのではないだろうか?雲一つ無い快晴の下、すっくと立つ知恩院は、今回の旅行で見た建築物の中で、一番非常に印象に残った。
 その後、北側の裏口から出て平安神宮の方へ。知恩院とその山門の概観はこれまで散々見てきた東大寺なんかに比べてずっと素朴な印象がある。そして北側のスロープなんかは明らかに城塞建築のようだ。背負った歴史の違いが、構造に現れているんだろうか?利害対立で僧兵なんかに襲われたこともあったのかもしれないなぁ。
 平安神宮前で右折し、疎水に沿って歩く。地理に詳しい現地人のsaltierの案内で、鉄道跡?を歩く。鉄軌の上を5人でバランスをとりながら歩いてカイジごっこをする(多分5回くらい死んだ)
 saltierイチオシの蹴上駅の前のトンネル(中のレンガが螺旋状に張られており、とてもファンタジック。千と千尋を思いだした)を抜け、金地院の辺りを歩く。「何有荘」という邸宅があり、サンテンが「なんて読むんだろう」って言ったので、「何カ有リ荘」って答えたらヤケに絶賛された。旅のベストヒットである。
 南禅寺は苔むした境内が、都会とは思えない奥まった雰囲気をかもしだしていて、いかにも「禅」だなぁと思った。建築自体はシンプルなんだけど、境内にあるレンガ造りの疎水の水道橋がとても味がある。橋の上にあがり、縁に腰掛けて休憩。落ちたらどうなるかで盛りあがる。淀川まで帰れるんじゃね?とか。こういう話をするたびに探偵ナイトスクープの『大和川通勤*1』を思いだすんだが。
 日もくれはじめた辺りで蹴上駅から地下鉄に乗り、Aislingと僕は京阪三条駅でお別れ。席に着くや否や爆睡したのであった。


 とりあえず歩き疲れたけど、すごく有意義な2日間だった。

*1:いい年したオッサンが「大和川を下って通勤した方が、距離的ロスが少ないと思う。試したいから手伝ってくれ」とか言う依頼を持ちかけた回。座礁、水害、滝降りなどを必死で乗り越え、時には河川敷をボートを引っ張って走ってまで職場を目指す光景は、笑いを通り越した清清しい感慨すら呼び起こす。「探偵」のベスト10を選んだら確実に入るであろう神回。http://www.nicovideo.jp/watch/sm8334058