死に至る病

親子という病 (講談社現代新書)

親子という病 (講談社現代新書)

 本屋でふらふらしていた時にタイトルで気になり、翌日図書室行くと今日帰ってきた本の棚に置いてあったので即借り、即読み。非常に刺激的でしたぜ

 AC(公共広告機構、ではなくアダルトチルドレン)って言葉が出てきて久しいです。大雑把に言うと「親とのこじれで自分が上手くいかない」と思ってる人、という風に書中で定義されていました。エヴァアダルトチルドレンの物語でもあることはもはや常識!
 まぁそれはともかく、著者の香山リカは有名な精神科医精神科医として多くの「親子問題に悩む人たち」を見てきた著者だからこそいえる「親子という病」という言葉。現代日本にはびこる「母性愛は絶対だ!」とか「家族愛サイコー」などといった価値観が、いかに多くの子供を、親を歪ませ苦しめてきたか、豊富な実例を出しながらぶった切っていきます

 想像で埋めてる部分も多くページ数も別段多くなく、緻密なものではないですが、彼女の経験と観察に導かれる文章にはやはり相応の説得力があります
 親子関係という「最も強い関係」と思われているものの病理を大胆に突いていく痛快な本でした。オススメ