危険運転

福岡市職人(23)が酔っぱらって車に追突して川に落とし、子供3人が死んだ事件。地裁は危険運転を認めず、業務上過失致死+轢き逃げ+証拠隠滅などで懲役7年6ヶ月の判決を下した

業務上過失致死は最高5年、かたやその上位版とも言うべき危険運転は20年。殺人と同罪だが、その認定は困難

新しい法律が出来る背景はたいがいそれなりにセンセーショナルな事件があって世論が高まったからで、危険運転に関すればワンカップ片手に料金所待ちの軽に猛スピードで突っ込んだトラックの事件など、未必の故意(誰か死んでもいいや)といってもいいような事件が起こったからだろうか

その時に恐らく業務上過失致死の最高刑の引き上げという案も出たのだろうが、細かいことは知らないが危険運転致死という新たな法律が出来た

だが今回みたいな「懲役5年では明らかに軽い・しかし過失が原因の事故」が起こってきた。業務上過失致死では不十分だけど、危険運転ともいえないような事件。これには相変わらず刑法は対応できていない。要するに今回の被害に対して軽すぎる判決は、立法の不備が大きいわけだ(社会的制裁も加えると懲役7.5年が懲役25年の3分の1しか効果がないわけじゃないけど)

ステレオのCDを拾おうとして園児4人をはねて死なせても、業務上過失致死で懲役は5年しかない。死んだ子供たちや遺族の感情からしたら軽すぎるし、事実軽すぎると思う。しかし危険運転致死の最高刑懲役20年は殺人並。不用意にCDを拾っただけの人と、計画して人を殺した奴の悪意は大きく差があるはずで、結果4人死んだとしても、懲役20年にするのは刑を食らう側の視点に立てばさすがに理不尽だ

正直人間には人間を死なせた償いなんて出来ない。死んでしまったものは取り返しがつかない。1人なら自分の一生を捧げて償うことは出来ても、被害者の命と釣りあうかどうかは分からない。測るものでもないし。まして複数になれば釣りあうはずもない。刑は犯人の悪い行いに対して下されるもので、これはクリリンの分、これはヤムチャの分と言って重ねがけはできない

現行の法律は確実にズレているが、裁判は法律に厳密でなきゃ仕方ないし、法律変えるのは国家の仕事だから裁判長にもどうしようもない。7年半が限界なのだろう。危険運転であることを立証できなかった以上、今のところはどうしようもない。民事の損害賠償ではそういったズレはないが、結局遺族の悲憤が金で解決できるわけじゃないし、難しいな法律