ボクシング

19chでやってたわけだが、なかなか見応えのある試合だった。特に第4、5試合。

4試合目はバレロというベネズエラ出身のS.フェザー級チャンプ対S.フェザー級世界ランク12位の香具師

バレロは過去20試合全KO勝ちで、18試合連続1ラウンドKOという世界記録の持ち主。対する相手はタフさとスピードで粘るタイプ。過去一度もダウンしたことがない。

で、ゴング。様子見の相手に対しバレロしょっぱなから踏み込んで攻撃。

 相手はガードを解いて多少打ち合い始めた矢先、放った甘い左ジャブにカウンターで左ストレート。アゴ直撃。間髪入れずに右フックが頬にヒットし、回りながらダウン。これが40秒での出来事。

 カメラの位置的に見えにくかったが、それでも解説が言うまで右フックが決まったものと思っていた。異常な速さの左ストレート。

生涯初のダウンをマークした男はよろよろと立ち上がり再開。なるべくガードを固め、相変わらず様子見の姿勢。

 んで開始から1分20秒、またしても左ストレートがカウンターで入るわけです。しかもまたアゴ直撃。今度はもう意識ほとんどかっ飛ばされKO。いやすごかった。パンチは警戒されてるはずなのにねぇ……

んで5試合目は以前徳山を1RでKOし、チャンプを取ったという川嶋、対、その川嶋を倒して現在S.フライ級チャンプのミハレス

ミハレスに負ける試合、川嶋は負けたら引退といって臨んでいたが、結果は1ポイント差での判定負け。

んで恥を捨てて引退を撤回、プライドと人生を賭けて臨んだ。

ミハレスはやたら細く、胸板は薄く、腕の筋肉すら少ないと言った有様で、こりゃ武蔵と同じく間合いをとってコスコス当てる、いわば判定王に見えた。

実際スタイルは堅実。大げさに動き回り大振りで攻め、無駄な動きを繰り返す川嶋と対称的。

 川嶋の攻撃をよく見て、少ないスウェーと的確なガードでブロック。細い腕から素早く的確なパンチを連射し、確実に川嶋にダメージを与えていく。

 たまに出会い頭のラッキーパンチを食らってもすぐに立ち直り、連打を食らわず、近くではキレのいいアッパー、離れればパンチの連打で川嶋のリズムを作らない。

川嶋は序盤の大げさな動作で早くも4R付近からスタミナを切らし、試合は完全にミハレスペース。

軽いフットワークで川嶋をいなし、川嶋の1発に対して3倍以上の打撃を浴びせる。リボルバー対バースト射撃のようなものだ。川嶋は攻守ともに精度がなく、根性だけで戦っているような感じ。

川嶋も打たれ強いが、実はミハレスも相当タフだ。川嶋の根性を額に食らっても、食らってもいないかのように連打を繰り返す。

 そして川嶋がバテバテの7R、8R、9Rに至っても身軽に攻撃をかわしまくり、全く変わることないペースでまとめ打ちやら、川嶋1にミハレス4ぐらいの手数で打ち合う。

異常なスタミナだと思ってると10R半ば、もはや気力だけの川嶋についにフルオートを見せた。

リング中央で連打、回るように逃げる川嶋に連打、奥のサイドに追い詰まった川嶋のボディやら顔やらにものすごい連打連打連打連打。

 とどまることを知らない乱射についにレフリーが止めてTKO。川嶋のリベンジは格の違いを見せつけられる形になった。

で、なにがスゴいってこれは10ラウンドでのことだということ。

 K1とかでも3R目はたいがい疲れが見える。なのにほとんど変わらぬペースで戦い続け、10Rでは10秒にわたるラッシュ。リプレイで数えたら50発近く打っていた。格ゲみたいなヒット数だ。

 よっぽど軽いパンチだとしても、こいつのスタミナというか底知れぬタフさは異常だ。

 また細かいパンチでも確実にガードの隙を打ち、自分自身のガードや回避も的確。しかも打たれ強い。

 これで防衛2回。ミハレス、S.フライ級タイトルはしばらく彼の物だろう。