バルトの楽園

 平日が休みなんだからとりあえず外出せねばと思い、映画を適当に当たって見に行きました。

 O森がプッシュしていた「ナイロビの蜂」も梅田でやってたしデスノ前編とかもあったけど、「映画行くって?じゃあ一緒にいこか」みたいなノリで母がついてきたので、何か渋いチョイスに。実家が徳島にあるんで高速からロケ地を見たりしてちょっと縁もあったし。

 文部科学省が中高生に見せるべき映画に選んだ、とかいうヒューマンな映画で、ベートーベンの第九「歓喜の歌」が日本で初めて演奏されたエピソードってのが軸。まぁほとんどはマツケン収容所長がドイツ人捕虜たちと心を通わせていくヒューマンストーリーですな。

 まず感想としてはキャラの彫りが浅いマツケンもヒューマンすぎて人間味にどっか欠けるし、たくさんいる登場人物のエピソードもあまりなく、なんか悪玉らしい悪玉がいないってのもちょっとリアリティに欠ける(そのせいで善玉のキャラが際立たないんだけど)高島礼子阿部寛は好きだし期待していたが、やっぱりキャラが立ってなくてちょっと消化不良。てか阿部なんて同じ顔しかしてないしw

 ただあれ見たらコンサートに行きたくなるのは請け合い。最後からエンディングにかけての第九の演奏シーンはなかなか胸を打たれた。エンディングの後コンサートと間違って拍手しかけるほど。まぁドラマというより曲に感動したようなもんだけど。

 クラシックはあんまり聞かないが、歴史の流れに負けずに生き残ってきた音楽は確かに何かの力があると思う。「白い巨塔」の財前(唐沢寿明)が口ずさんでいたワーグナーの「タンホイザー」とか、エヴァ最終回で流れた「第九」とか、ドラマの中でクラシックを使うってのもその辺の力を狙ってなのだろうか。