弟乙

 昨日やっと弟の入試生活が終わりました。本当にお疲れさんです。三時ぐらいまで一緒に「信長の野望 烈風伝」をやり、あまりのノスタルジーにこっちがハマり直してしまったのは内緒です

 西大和か東大寺か。まぁ明日の合格発表次第です。ただ父親はいたく西大和に惚れこんでいて、東大寺蹴ってでも入れたいと言っていますが。親は俺と弟を大いに区別して考えているようです(学力的な数直線で比較するようなことはしないし、実際性格かなり違うけど)
 弟が塾でやれるかどうか自体から心配し、東大寺いけるレベルに達するかをも心配し、と、長男の3倍ぐらい親に気をもませた弟ですが、まぁ受かれば入れてやればいいとは思っています。遅生まれで多少精神年齢が長男の同時期に比べて幼いように見えても(当人談)少なくとも同年代よりは優れているし、俺より継続的努力ができる子ですし。まぁ確かに弟は生まれてこの方ずっと人気者で、周囲(同級生や教師ら)にもかわいがられて育った点で、ただでさえめでたい俺よりも更に挫折少なき人生だから、親が不安を覚えるのは仕方ないのかもしれないです。

 西大和は随分フォローの親切な学校だそうです。学校行事も充実しているし。本当に今上り調子って感じがする(母親談)そうです。父は何よりも「入ったらただの人→優等生アイデンティティ喪失→屈折」というのを恐れていて、弟がそういう壁にぶつかって苦しんだときに、ちゃんとフォローしてくれる学校であってほしいと思っているようです。

 灘が本当に自己責任を求める学校だというのは、入ってここまでやってきて、そう思います。ぶっちゃけ違う学校で違う人生を送っていた方がよかった(少なくとも「社会的に敬意を示される」という意味で)んじゃないか?ってのは少なからずちらほらするわけで。でもそういったのも含めて個性を際限なく増幅する環境は凄く面白いんだけど、大局的に見てだが。

 東大寺の校風は分からないけど、灘と同じようなものなのだとしたら、父としてはそこに愛する息子を放り込む踏ん切りはもてないんでしょうね。そろそろ異動だし、どれだけ忙しくなるのかわからんし。弟の面倒を細かに見られないって不安かなぁ。


 ただ根本的な違和感を父の態度には覚えるわけです。それがどう根本的かは分からないけど、一つの仮定として、仮に受かって東大寺蹴って西大和に入ったとしたら、西大和で何か壁にぶつかった時に、「ここは自分の決定で入った学校じゃない」という感情がどうしても湧いてしまうんじゃないかな、とか思います。弟が12歳であろうと、「自分で人生を選んだ」という覚悟がもてなければ、それこそ逃げて屈折した奴になりえる気がするわけです。「自分の人生じゃない」という思いが残っている限り、そいつぁ「大人」になれないんじゃないか?

 まぁ俺自身、灘を目指すと決めたのは受験の4ヶ月前だったし、そもそも中学受験をすること自体は自分で決めたのではないけれど。自分が自分の人生を選んできたという自分の思い(若干揺らぎがちだがw)を支えているのは灘に入ってからの体験の数々であるわけで、もしかしたら父の目論見どおり西大和に入ったとしても、上手く行くのかもしれない。未来はわからん。

 まぁ幸いなことに、弟は西大和を結構気に入っている(だからこそそういう風なことを父は考えたわけだが)が、「目の前で、みすみす受かった第一志望を捨てた」という思い出がどう12歳の弟の中で処理されるか、俺には皆目見当がつかない。多分結果が出てみないと分からない


 いずれにせよなってみないと分からない。どこのコミュニティでも弟は上手くやっていけそうな気はするし、正直なところ、どっちでも何とかなるんじゃないか?というのが兄としての見込み。できれば中2ぐらいまで側にいて、指南してやれればいいのだけれど、きっちり進学したいのでそれはできねえと

 まぁ中1の間だけでも、受験生業の傍ら、兄貴業もやってやろうかな