読書確認まとめ

光源氏は激しく理想化されている
∵"後見"がない。帝の愛だけに頼る存在が、帝の死後に生きるには、このぐらいの超越的美徳がいる。それが当時のリアリティ

后は女御(大臣・親王家の娘)から選ばれる。更衣は大納言以下。式部は愛情の面から当時の慣行への反発を示す一方で、抵抗の脆さを描く
コキ殿女御=右大臣の娘
桐壺を手放したくないあまり、宮中を死穢で汚すことさえ辞さない帝
モチーフは延喜時代(醍醐天皇の治世)。この頃の優れた賜姓源氏、源高明光源氏には重なる。ちなみに賜姓臣籍降下は財政的な措置として嵯峨帝期に行われた。また世間は藤原独裁への反感から、賜姓源氏には好意的だった
12歳で元服左大臣の娘、元祖ツンデレ葵の上(16)と結婚し、後見get。同時にコキ殿&東宮と明確に政治的に対立
先帝の四宮・藤壺は桐壺更衣似なので桐壺帝が結婚。光源氏も思慕→やっちゃったZE→初球ソロHR→冷泉院爆誕。後に頭中将(ちなみに葵の兄か弟)の子・柏木と女三宮(光の嫁)が同じことやって薫が誕生。因果応報
人相見「天子っぽいけど、それは国家動乱するからヤバい。でも摂関とも違う」
宿曜師「子三人、帝・后・太政大臣
桐壺、帚木間には4年のブランクが
交野少将物語←好色の典型。現存しない


◎帚木の冒頭文のなぞ
本居宣長「玉の小櫛」(←源氏の注釈書)曰く「口上」帚木、ウツセミ、夕顔三編につながる
武田宗俊の分類:本筋の「紫上系(17個)」と外伝的な「玉鬘系(16個)」(並の巻とも)
和辻哲郎「源氏の恋物語みたいなバラバラの"源氏伝説"があって、それを体系化したのが源氏物語
青柳秋生「須磨までやって、4個ぐらいアナザーストーリー書いて挿入して、少女ぐらいまで行って桐壺が冒頭に」
玉上琢弥「藤原定家による注釈書『源氏物語奥入』に『輝く日の宮って見慣れない奴があるらしい』ってあるし、和辻の言うことがだいたい正しいんちゃう?多分“上流層の恋バナの源氏伝説を、式部が中流層に引き入れて、彰子の女房になったあと若紫とか書いて、大長編にする気になったときにバックボーン説明として桐壺を書いた”って話」
並の巻17帖+本系37帖。議論ややこい。玉上「ひとまとめに発表」。門前真一が論考するが筆者割愛
風巻景次郎「帚木、玉鬘は並の巻から本系に組み込まれた。桜人って巻があったとか」
昔物語→写実的風俗物語に進化する源氏
とりあえず和辻。和辻スゲェよ
源氏物語は書きながら作者が進化していく中でどんどんテーマや方法が発展した