テロつぶし

テロをなくすにはどうすればいいか。shadowballからメールが来た。

 もっとも安穏な解決策はアラブ人に衣食住を満足させ、娯楽も与えることだろう。現在の社会への不満が人をテロに走らせる。ある程度満足してたら"納得"して、過去の怒りを鞘に納めて菩提を弔いながらも自分の人生を生きるだろう。他人を憎むのは疲れるし、色々なものを棒に振って自爆しようとは、よっぽど恨みが深くなければしない。

 影球曰く、「自爆したら残った家族の面倒を組織が見てくれる」からだという。ありうる話だ。本当に怨念で動いている人もいるだろうが、社会不満をのぞけば、これらの人はテロに走らなくなるはず。そうすれば自然テロの火も縮み、やがてほとんど見えなくなるだろう。

 アメリカの対テロ戦争は"テロへの報復"の名の下に、いたずらにアラブ人を殺し、怨念を生み、イラクの社会をメタメタにかき乱した。

 ブッシュのバックには石油のメジャーがある。イラクの地下資源は彼らにとって実に実に有用だ。またアメリカと武器屋は切っても切り離せない関係にある。新型の無人偵察機やニューモデルの戦闘機など、ご自慢の新作がイラク戦争には大量に投入された。

 当時の国防長官ラムズフェルドは「最新鋭の武器で可能な限り少ない兵力で制圧する」という目標を掲げ、湾岸戦争の時の半分以下の兵力であっという間にイラクを占領した。空爆やそれ以降のテロ鎮圧作戦の中で、3万を超すアラブ人が犠牲になった。

 しかしわずか8万人でイラクの治安など守れるはずはなく、どんどん追加召集をかけ、徴兵もしなかったため州兵が多数イラクに送られこき使われた。結果カトリーナの襲来の際に州が対応しきれなかったことは有名だ。ちなみにアフガン〜イラク戦争での米兵の死者は2900人を数え、そもそもの始まりである911での死者の数を上回った。

 多大な犠牲を費やした対テロ戦争にも関わらず、テロは減ることなく増え続け、マドリードやロンドンにもテロは飛び火した。

 イラクに攻める必要性は報道でも分かるようにそこまでなかった(大量破壊兵器?何ですかそれ?)。アフガニスタンにしても石油輸出で景気のいいロシアに対する牽制拠点とするためだろう。

 アメリカの本心の透けた非人道的な戦争に対し、ヨーロッパでは批判が強まっている(英ブレア首相が今期限りの辞任を表明した)もともとヨーロッパは反米的なところがあるが、イギリスは自国をテロられているのに、だ。これには大きな意味があると思う。報復が悪循環に陥ることを知っている人は少なくないはずだ。

 アメリカはテロ対策として入国管理を厳しくしている。空港では10指すべての指紋をとられるようになるらしい。アメリカは歴史的経緯上、移民に開かれた国だったが、その信念も自己矛盾の中で揺れてきた。

 EUの成立、ロシア・中国の発展と関係強化、アメリカが"自由と民主主義"を標榜して世界に君臨できる時代は終わりつつあるのかもしれない。大半受け売りだけどね〜